【ヒアルロン酸注射】
ヒアルロン酸の注入によって陥没を埋めることは可能です。簡単そうに聞こえますが、眼輪筋や皮膚のように浅い層に注入すると、ぼこぼこしたしこりができてしまいます。だからといって深い目の奥に注入しても陥没は浅くなりませんし、目を損傷する危険があります。隔膜前脂肪と隔膜の奥にある眼窩脂肪がやせてしまったのが陥没の原因ですから、その層にヒアルロン酸を正しく注入することが大切です。
注入されたヒアルロン酸は次第に体内組織に取り込まれて吸収されていきます。最新のヒアルロン酸を用いれば1年以上の効果の持続が期待できます。効果が一時的というのは欠点ですが、でこぼこやふくらみ過ぎといった問題が起きた時には自然に解消されますので安心して受けられる治療法です。ヒアルロン酸が吸収されるからといって、余分に注入するのはよくありません。物足りなくなった時点で追加注入を考えるのがよいでしょう。
【脂肪注入】
お腹や二の腕から細いチューブを使って吸引した脂肪を上眼瞼の陥没に注入する方法です。ご自身の組織ですから、アレルギーや拒絶反応といった心配はいっさいありません。注入後に生着した脂肪組織は永久に残ります。従って、効果の持続を希望される方には脂肪注入が適しています。ヒアルロン酸注入と同様に、正しい深さに注入しないと術後にでこぼこ変形を招く危険があります。そうなった時には、ヒアルロン酸のように自然吸収は期待できませんので手術による修正が必要となってきます。
注入した脂肪が全て残るわけではありません。これまでの研究結果や臨床経験から、注入した脂肪の10〜50%が生着して生き残ることが分かってきました。1ヵ月の間に半分以下のボリュームになってしまいますので、必要量の2倍を注入します。そのため、術後2週間はふくらみ過ぎている印象があります。
【脂肪移植】
脂肪組織をお腹や二の腕から手術的に採取して上眼瞼の陥没部に移植する方法です。脂肪注入では脂肪を吸引して採取するので、脂肪細胞を損傷する可能性があり、注入した脂肪の半分以上が吸収されて無くなってしまいます。これに対し、脂肪を塊として採取する脂肪移植では脂肪細胞を損傷することがありませんので、術後の吸収が少なく、手術効果が確実です。
脂肪を移植するにはまぶたの皮膚を切開する必要がありますので、目の開きが悪い方には同時に眼瞼下垂の修正を行います。そうすれば、術後に目が重たく感じることはありませんし、陥没の改善効果も上がります。移植する脂肪は傷痕が目立たないように腋か下腹部に3pほど皮膚を切開して採取します。
【眼瞼下垂修正術(目力アップ術)】
眼瞼下垂の修正術を行いますと、眼瞼挙筋を強く収縮させなくても目が開けられるようになって、目の奥に引き込まれていた眼窩脂肪がまぶたに移動してきます。また、眼瞼下垂の方は眉毛を持ち上げる癖がありますが、術後はこの癖がとれて、眉毛と一緒に引き上げられていたまぶたの脂肪(隔膜前脂肪)がまぶたに降りてきます。このように目力アップ術にはまぶたの凹みを浅くする作用がありますが、まぶたの脂肪が非常にやせた方では陥没の改善が不十分な結果に終わることがあります。そのような方には眼瞼下垂修正術と同時に脂肪移植をするのが一番効果的な治療法です。