カオリ 私は常々、内面の美しさが外見に出ると思っているんですけど、その反面、外見が変わることで性格が明るくなるなど、内面も変わることってありますよね。
福田 そうですね。美容整形を受けた女性が、生まれ変わったような気分だと言いますから。
カオリ 先生が美容分野を選ばれたきっかけは何だったのでしょう?
福田 何だったんでしょうね(笑)。ただ、今ではこれが天職だったと思っています。女性がイキイキとして帰っていくときは嬉しいですし、いい仕事だとしみじみ思います。美容外科の仕事は、美しさを作る、というより、欠点と思っている部分をなおすことなんですよね。本人が気にしないようにしてあげることが第一です。
カオリ 私は以前「自分の持って生まれたものが一番いい」と思っていたんですけど、メーキャップをする側になってからは、「コンプレックスを持っているなら、どんどんなおして精神的に豊かになったほうがいい」と思うようになりました。
たとえば、私は人間関係がうまくいくには笑顔が大事だと思っているのですが、笑顔でいるためには自分に自信がなくてはいけない。もし自分の中に「この目が二重だったら…」という思いがあるのなら、どんどんなおしなさいと言いたい。自分に自信があれば、人に優しくなれますから。
福田 自分が素敵になるために美容整形を受けるのは、いいことですよね。
カオリ 私たちプロのメイクでも外見を変えることはできるんです。たとえば、映画の場合はライティングでなんとでもできるから、丸顔を四角く見せるのにはシャドーで補正するんです。でも、一般にはライトはないし、一生私をやとっていなくちゃならない(笑)。だから、美容整形があるわけでしょう?
福田 アメリカでは、美容整形がお化粧と同じレベルですよね。メイク感覚で美容整形を
利用しているとも言い換えられる。
カオリ 私の友達でもなおしている人がいっぱいいますよ。鼻を低くしたり、左右の目の大きさを合わせたり。「ここをなおしたの。よくなったでしょう?」って。私も「本当、よかったね」って答えます。
福田 日本では美容外科はどこか後ろめいたムードがあって、行きにくいイメージがあるように感じます。
カオリ 私は堂々としていいと思います。アメリカだけでなく、韓国でも整形は当たり前で、学校を卒業したら、親が「自分の顔をなおしなさい」と言ってお金をくれる。それがお祝いなんです。暗い気持ちで一生を送るなら、さっさとなおしたほうがいい。胃や腸が悪かったらなおすでしょう、それと同じ。薬を飲んで鼻が高くなったらいいけれど、それはないから。
福田 本当に。日本ももっとオープンでいいと思いますね。

カオリ 日本へ帰って来るたびにビックリするのは、誰かの顔に似せたい、という発想なんです。あの人の眉にしてみたい、あの人の目にしよう、って。自分らしさがどんどんなくなってきた気がします。そういう物まねをするぐらいなら、先生のところに行って「私のどこをなおしたらいいでしょう」と聞いたらいいのに。そうすると、先生は「あなたは可愛い目をしているね、ここをちょっとだけなおせば…」と言ってくれるでしょう?
福田 そう。その人のいいところは活かさないといけないですから。僕がアメリカで研修中に一番「違うな」と思ったのは、日本人は悪いものを探したがる。欧米人は、どっちかというといいほうを探す。ブライトサイドを口に出すんです。
カオリ その通りだと思います。自分のいいところは活かす。そして、自分がイヤだと思ったところは早めになおすべきですね。美容整形はちっとも恥ずかしいことじゃない。だって皆さん、毎日お化粧しているじゃないですか、それと同じですから。「顔で自信を持ちたい」という思いで、がんばって追求して美しさを作ればいいんじゃないかな。
そして、なおした後は、顔に見合う自分になろうと、中身を磨いて欲しいですよね。そうしたら顔と性質が一緒に成長して、もっと素敵な人になっていく。
福田 美容整形をした、その場では、患者さんはまださなぎ状態。それが、やがて蝶になっていくんです。

カオリ 最近の患者さんの傾向って、なにかありますか?
福田 そうですね。カタチを変えたいという希望は以前からありますが、最近では、加齢にともなう肌の問題、たるみやシミなどの患者さんが増えてきました。
カオリ 本当に肌で年齢はわかりますね。
福田 肌はキレイなほうがいいですよね。女性はシミができたり、ちょっと黒ずみができたというときに、それを隠すために、どうしてもメイクが厚くなるでしょう?でも、メイクが厚くなると決してきれいではなくて。
カオリ 若くするために必死に努力している、という感じ?
福田 そう、化粧が薄くてキレイだと、すごくいいな、と。
カオリ それはみんなの夢ですよ。私はもう70歳を超えましたけど、もう少し歳をとったら、ああしよう、こうしようと考えています。本来四つ足で歩いていた動物が直立しているのですから、歳をとるとどうしたっていろいろ下がってきます。そのうち(まぶたを押し上げて)「どなたさんですか?」なんてことになりかねない(笑)。年齢それなりの美しさもいいけれど、人に不快を与えるようになったら、なおしたいですね。
福田 それは、いいことですね。
カオリ 女性が美しくなろうとしたら、やはり努力が必要なんじゃないかしら。もういいわ、となったらおしまい。結婚した後もいつも愛される女房でいるためには、ずっとキレイでいないといけないですよね。新鮮さを保つことは大切です。
福田 それは旦那さんも同じですね。
カオリ 最近、討論会などで「私、女に見てもらえないんです」という話を聞くんです。そんな時は、「あなた、旦那さんのお腹をみて、腹が出てきたとか指摘してないですか」って聞くんです。それを「あなたも貫禄が出て素敵になってきたわよ」と言えば「お前もな」となるでしょう。五分五分ですよ。で、ご主人が気づかないうちに、ちょっと気になる部分を治しちゃったっていいじゃないですか。それは素敵なシークレット。
うちの主人は67歳で亡くなったんですが、総入れ歯だったにもかかわらず、死ぬまで入れ歯を外した顔を見せませんでしたね。夫婦の間でも美意識がありましたから。今、私は一人だから気楽にしてますけど、もし結婚していたら、どっか下がってきたりしたら主人に内緒でプチ整形とかしたいですね。いつも素敵でいたい。
福田 やはり、旦那さんにはわからないようにやっていたほうがいいんですかね。
カオリ 私はそう思う。ウチの姉も総入れ歯にしたんですが、ご主人に内緒だったんです。それが眠っている間に外れちゃって、探してもなかなか見つからなくて。そしたら、ご主人のパシャマの背中に入っちゃってたんだって。なんとか気づかれないうちに取り戻したらしいんだけど(笑)。みんな笑ったけど、私は素敵だな、と思った。ご主人は、死ぬまで女房は総入れ歯だと知らずにいた。親しき仲にも礼儀あり、じゃないけど、学ぶべきだと思いますね。今は、目の筋肉をピッと上げることで、まぶたが上がって見えるそうですね。アメリカでは今とっても流行っていて、私も考えているところなんですよ。
福田 ヴェリテクリニックでは、日本における美容外科のちょっと暗い、敷居が高いというイメージを取り除きたいと思っています。
カオリ いいですねえ。私も、ちょっとまぶたが垂れ下がってきましたからねぇ。一生懸命、目を見開いているんですけど(笑)。そのうちよろしくお願いします。
福田 美容院に行く感覚で、気軽に相談にお越しください(笑)。
カオリ 今日はどうもありがとうございました。
福田 こちらこそありがとうございました。 |